北海道交通・物流連携会議の物流対策ワーキンググループ(座長・岸邦宏北海道大学大学院工学研究院准教授)は8月31日、京王プラザホテル札幌で今年度初の会合を開催、会議では今年度のWGの進め方について協議し、「トラック輸送の効率化に関する調査」を進めることを確認した。
これを踏まえ、今年度中に「北海道全体の物流の効率化・最適化の観点からの総合的な対応策」や「北海道の物流の将来の方向性」を取りまとめる。
道庁が事務局を務め、岸座長のほか、北ト協、北海道通運業連盟、北海道通運業連合会、北海道港運協会、北海道船主協会連合会、北海道旅客船協会、JR貨物、札幌国際エアカーゴターミナル、ホクレン農業協組連合会、北海道漁協連合会で構成。
「北海道における安定的かつ効率的な物流体制の確保」に向けた検討を進めており、昨年度は、既存文献や各種データの収集・分析を中心として北海道の輸送能力・貨物量等の調査を実施した。
この結果は「データが一人歩きしては困る」「個別企業のデータが含まれている」等の理由により非公開としているが、「トラックの輸送実態の補足が十分ではなく、データの精査が必要」として、課題として積み残しになっていた。
このため、今年度は、労働時間規制強化やドライバー減少による輸送への影響が大きい地域間を対象として、「トラック輸送の効率化に関する調査」を行う。大規模・網羅的な調査を行わず、「対象地域」と「輸送の主要品目」を選定し、荷主やトラック運送事業者へのヒアリング等を通して輸送実態を調べる。
その上で、「輸送モードの変更」「輸送ルートの変更」「共同輸送」「中継輸送」「荷役・待機時間の削減」「出荷量のピークシフト」といった対応策の実現性を評価する。さらに、実現性が高い方策について、具体的な取組方針を提案する。
調査する地域・品目として、①「北見から室蘭」への「農畜産品、食料工業品、農産物」の輸送、②「釧路と室蘭間」での「食料工業品、農水産品、農畜水産品」の輸送、③「北見から札幌」への「農産品、食料工業品」の輸送、④「北見と札幌間」での「食料工業品、紙・パルプ」の輸送、⑤「室蘭と札幌間」での「食料工業品、農産品、日用品、紙・パルプ」の輸送ーを予定している。