石狩市における「工業地域向けロボットシェアリング型配送サービスの実現」に取り組いる京セラコミュニケーションシステム(黒瀬善仁社長、京都市伏見区)は6月7日、同実証で利用する無人自動配送ロボットの走行試験を5月から早稲田大学本庄キャンパスで開始したと発表。
この取り組みは、NEDOが公募する「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」に採択されたもの。
新型コロナウィルス感染症の影響により、ラストワンマイル物流における「遠隔・非接触」での物流ニーズの増加や、配送における人手不足がより一層加速すると予測される中、同社では移動体基地局建設や自治体の情報通信基盤整備、地域への再エネ設備導入などを通じて蓄積したインフラ構築ノウハウと、得意分野であるICT技術を融合したソリューションで社会の課題解決を目指しており、モビリティ分野における物流課題の解決にも取り組んでいる。
今回、走行試験を行う無人自動配送ロボットは、最高時速15kmで走行し、広域にわたる工業団地での効率的な配送を想定し多数のロッカーを搭載している。
石狩市で計画している公道走行実証においても同様のロボットを用いて、8月から配送実験を開始する予定で、一般車が走行する広域エリアの車道を、積載部に多数のロッカーを搭載したロボットが安全に自律走行する実証を行うとともに、複数の荷主の貨物を混載し複数の荷受人へ配送するサービスの実証を目指す。
同試験は、石狩市および早稲田大学大学院環境・エネルギー研究科の小野田弘士教授の協力のもと実施する。
同社では「AI・IoT・5G・再生可能エネルギーなどの研究開発とその技術活用によって地域・社会の課題を解決し、SDGsの実現を通して社会に貢献することを目指す」としている。