ヤンマーホールディングスは10月28日、グループ会社のヤンマーエネルギーシステム(YES)が三菱商事とエア・ウォーターが共同実施する「大型LNGトラック向け小型LNG充填設備の北海道での実証試験」に参画し、ガスコージェネレーションシステムを活用した独立電源ユニットを提供すると発表した。
YESではこれまで約9500台にのぼるガスコージェネの納入実績があり、オンサイトで効率よく電気や温水を生み出し、安定的な運用を続けてきた。
今回の実証試験においては、事業者が小型LNG充填設備のタンク内で発生するBOG(気化メタンガス)の活用方法を検討する中で、YES製のガスコージェネが採用された。
BOGは二酸化炭素の25倍もの温室効果を持つと言われており、そのまま空気中へ放出することは地球温暖化の観点から懸念があり、小規模な施設においては燃焼させ排出することが多くなっている。
しかし、ガスコージェネを活用することで、BOGから電気と熱を生み出すことができ、生み出した電気と熱は同設備の稼働に使用することで無駄なくエネルギーを利用できる。
また、バッテリー(UPS)を同時搭載することで送電網と独立させた運用が可能となり、大規模停電などが発生した場合でもトラックへのLNG充填作業が可能となるメリットもある。
さらに、狭い場所への設置も想定している同設備においても、YESのガスコージェネは小型であり、搭載性も確保されるメリットもある。
ヤンマーでは、「本実証試験への参画を通し、BOGを燃料としたガスコージェネの安定的な稼働に向けた知見を蓄積し、最適な運用をするためのエンジニアリングと商品開発を続け、未利用エネルギーの有効活用に繋がる商品・サービス・運用提案などを通じて持続可能な社会の実現に貢献していきます」としている。