北海道運輸交通審議会  会長に吉見氏選任

北海道の運輸交通施策の総合的な促進を図るために設置された北海道運輸交通審議会の今年度2回目の会合が2月18日、かでる2・7でオンライン形式により開催され、「北海道交通政策総合指針重点戦略案」と「北海道における安定的かつ効率的な物流体制の確保に関する検討中間報告案」についての報告が行われ、委員から意見を募った。

中野祐介・北海道副知事は「重点戦略は今年度中に策定し、安定的かつ効率的な物流体制の確保に関する検討については来年度以降も議論を続けていく。北海道の未来を見据えた交通運輸の政策について、忌憚のない意見をいただきたい」と挨拶を述べた。

今回より委員が入れ替わり、会長に吉見宏・北海道大学理事・副学長、副会長に岸邦宏・北海道大学大学院工学研究院准教授が選任された。物流業界からは、北ト協理事の野村佳史氏(丸日日諸産業)、北海道船主協会連合会会長の武永雄氏(近海郵船北海道)、北海道地方交通運輸産業労働組合協議会議長の森下和彦氏らが委員として参加した。

北ト協の野村理事は、高規格幹線道路の2車線化や暫定2車線の高速道路のワイヤーロープの早期設置を要請したほか、「重点戦略案」や「中間報告案」で示された共同配送について「絵に描いた餅。道内の物流は道央から各地方へ一方通行で流れているので、実行するのは難しい。物流の共同化は運送事業者でコントロールできず、荷主次第」と意見を述べた。

森下議長は「時間外労働の上限規制の適用により、トラックの輸送力の低下が指摘されているが、ドライバーは現状、時間外労働の一般則が適用されておらず、他産業より長い時間働、厳しい状況になることを理解してほしい」と訴えた。

吉見会長は「重点戦略案と中間報告案について、各委員より積極的な評価をいただいた。重点戦略案では、北海道型の運輸連合の構想を打ち出したが、これは今後の北海道の運輸交通にとって重要で、行政も含めたこのような取り組みは全国的にも大きな動きだと考えている。交通・物流事業者をはじめ、利用者もこの取り組みに参画して、動きを進めてもらう必要がある」と総括した。

岸副会長は「重点戦略の大きなポイントは運輸連合の文言が入ったこと。北海道としてどのような形で進められるか、今後検討をしていこうと示している。トラック輸送の効率化については実現性が高い施策を取りまとめたが、これは従前より業界が取り組んでいること。来年度以降、さらに検討を進めていきたい」と述べた。

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