エア・ウォーターと 愛知時計電機は6月14日、共同で灯油配送業務の効率化を図るとともに、顧客へ安心感を提供することを目的として「IoT技術を活用した灯油メーター自動検針の実用化に向けた実証実験」を札幌市で開始すると発表した。
実験の実施者は、エア・ウォーター100%出資する地域事業会社の北海道エア・ウォーターと愛知時計電機。実験の期間は7月1日より1年間。
寒冷地では、家庭・施設ごとに灯油タンクを屋外に設置し、灯油ローリー車が客先まで配送・給油している。灯油配送業務では、ドライバーの不足や高齢化が進む中、タンクの灯油残量を事前に把握して計画的に配送することが難しく、灯油残量の可視化が喫緊の課題となっていた。
こうした課題を解決するため、「ハローガス」ブランドで灯油ビジネスを展開するエア・ウォーターと、寒冷地の集合住宅で使用される燃料油計測の「灯油メーター」を取り扱う愛知時計電機が共同し、IoT技術を活用した灯油メーター自動検針の実証実験を開始する。
今回の実証実験では、札幌市内の集合住宅1棟を対象とし、各戸に灯油メーターを取り付け、これをNCU(Network Control Unit)に接続し、LPWA(Low Power Wide Area)の通信規格のひとつである「Sigfox」を利用して、灯油メーターから検針値をクラウド上にアップロードする。
検針値から推定した残量レベルと実際の残量を比較することで、残量監視の精度を確認していく。また、検針値とともに提供される電波強度や通信品質の指標を評価することで、無線通信の信頼性評価を行う。
こうした仕組みによる灯油残量レベルの把握は、一般家庭向 けの燃料業界では初めての取り組み。
さらに検針コストや配送合理化などによる業務コストの削減効果も検証する。
愛知時計電機では、IoTを活用した灯油メーター自動検針システムを構築し、灯油切れの未然防止と配送効率化を実現するデータサービスの提供を目指し、エア・ウォーターは、共同でのシステム開発により、灯油販売事業者の配送課題解決ならびに顧客へより高い安心感と快適なくらしを提供していくとしている。