国交省は3月5日、第8期北海道総合開発計画(2016年度からおおむね2025年度まで)についての中間点検報告書を公表した。
計画策定からおおむね5年後に計画の総合的な点検(中間点検)を実施することとしていた。同計画では、食・観光を担う「生産空間」の維持・発展を図るため、「人が輝く地域社会」「世界に目を向けた産業」「強靱で持続可能な国土」という3つの目標を掲げて推進している。
重点施策の推進状況について、物流に関連する事項として、「高規格幹線道路、空港、港湾等の整備」「自動運転及びMaaSの試行」「道の駅を交通結節拠点としての活用」などを挙げた。
このほか、北海道型地域構造の保持・形成を図るために設定した「モデル圏域(名寄周辺・十勝南・釧路)」において地域課題の解決を図るための検討を進め、「物流の維持に向けて集荷機能の強化と貨客混載の取組促進を主課題として改善方策を議論しており、共同配送に向けた試行実験を実施」していることや、「道産輸出品目の裾野拡大に向けて、中小口貨物輸出に関わる生産者、物流事業者、商社等が情報を共有するプラットフォームを構築・強化」していることを報告。
課題として、「いまだ主要都市間を結ぶ高規格幹線道路のミッシングリンクが存在」し、「暫定2車線区間が多い」ため、「引き続き、交通ネットワークの整備を進めていく」ことに加え、「持続可能な人流・物流システムの構築を進めるため、片荷の解消等に向けた物流の改善、移動手段の維持及び利便性向上」などが必要とまとめた。
今後の計画推進について、「人流・物流が制限される中での特定国・地域に依存していたサプライチェーンの多元化に迅速に対応すべき」「道内外の人流・物流、地域・拠点間の連携確保のため、高規格幹線道路のミッシングリンク解消等や空港、港湾等の整備を推進」「物流の改善に向け共同配送等の取組を促進」などとともに、「遠隔消費地への安定的なサプライチェーンを強化するため、多様な輸送モードを活用した効率的な輸送体系の構築を推進する」「中小口貨物の輸出に関わる関係者間の情報共有を目的として構築したプラットフォームを本格運用し、道産食品輸出の裾野拡大に向けた取組を更に推進」といった点を挙げた。