北海道開発計画調査等説明会 「道の駅」物流・日高地方の物流維持など発表

北海道開発局は1月25日〜27日にかけて、「北海道開発計画調査等説明会」をオンライン開催した。

北海道開発計画調査は、北海道総合開発計画の企画、立案及び推進に必要な調査として毎年度実施しており、同説明会では令和2年度に実施した調査と同局開発調査課で実施している調査の結果などを発表。
 
物流関連では、国交省北海道局参事官室技術公共班の林典宏主査が「生産空間を支える物流インフラ維持に向けた道の駅の利活用に関する調査分析等業務」、北海道開発局開発調査課の鈴木裕介開発専門官が「日高地域物流実態調査」、同課の橋本淳一上席開発計画専門官が「農畜産物及び加工品の移出実態調査」についてそれぞれ説明した。

林氏は、令和2年度に試行した「国道40号沿線の4カ所の『道の駅』を拠点とした共同配送」で得られた知見を説明。最北エリアである稚内方面からの帰り便での空きスペースを活用し、道北の道の駅をストックポイントと見立て、効率的な物流システムの構築を目指す取り組み。既存の宅配網と連携し、空荷車両による地域内集荷の輸送パターンを新たに行なった。

この結果、物流事業者にとっては、道北における片荷解消に繋がる期待があったものの、「常時共同配送を行うため安定的なベースカーゴの確保が重要」、「道の駅での一時保管は、温度管理やセキュリティ管理が発生する場合は対応が難しい」、「荷主にとっては、道の駅まで荷物を持ち込むスキームには参画しづらく、現状より大幅に安価となるか、リードタイムが短縮できるなどのメリットがない限り、貨物を集めることが難しい」「ファーストマイル~幹線輸送~ラストマイルが一体となった地域物流システムを検討する必要がある」といった課題が確認できたと報告した。

鈴木氏は、今年度進めている日高エリアの物流実態調査の経過を報告。「遠く・広く・荷量が少ない」特色がある同地域の輸送力の現状や、輸送力維持のためのアイデアなどを荷主11社、物流事業者7社、経済団体4機関にヒアリングし、物流業界からは「ドライバー不足により今後、日高方面に行けない物流事業者が出てくる恐れがある」、「物流の維持について、その地域が危機感を持つことが重要」「動けるキーマンが必要」と言った意見があった一方、地元自治体からは「モノが入りにくいとは感じていない」「大手量販店の物流網は充実している」「物流拠点の整備に公的支援を入れても、将来まで支えていけるか不透明」と言った声があり、地域全体として「危機感が薄い」現状が示された。

橋本氏は、北海道産の農畜産物及び加工食品の道内外移出の実態を物流面から調査した暫定の結果を報告。トラック・フェリーによる移出は全体の81%、JR貨物は11%を占め、出荷先は関東・東山地方が51%、近畿地方が22%、東海地方が12%などと報告した。

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