下川町は3月25日、「宅配等事業」地域おこし協力隊の追加募集を開始した。
同町では、スーパーが平成31年3月に閉店し、高齢者等への食品や重量物の宅配がなくなっていた。一方、地域高齢者の交通手段であるタクシー運転手の確保が困難となり今後、乗り合いタクシーやスクールバスなどの運行が懸念されていた。また、宅配事業者の人材不足などから今後、過疎地域における時間指定などが懸念されていた。
こうした地域課題を解決するため、令和3年7月1日から下川ハイヤーに地域おこし協力隊を採用し、「セイコーマート下川店」「西條Qマート下川店」「やない菓子舗」の商品を高齢者等へ宅配するとともに、佐川急便、ヤマト運輸の宅配物の貨客混載の実証試験を実施している。
大手宅配事業者の宅配の拡大とともに、商店の商品の土日や祝日祭日の宅配、更には地域交通の継続・維持のため、新たに地域おこし協力隊1人を追加募集する。
業務内容は、同町店舗の商品宅配・商品代金の集金、同事業のPR活動、大手宅配事業者の宅配など。採用開始日は4月以降を希望している。
同町が地域おこし協力隊として委嘱し、下川ハイヤーと雇用契約を締結する。
既に採用されている地域おこし協力隊とともに2人で「地域店舗の商品の高齢者等への宅配」や「大手宅配事業者の宅配業務」の貨客混載を実証しながら、生活支援を行う。
宅配業務のノウハウ習得後、2種免許を取得(取得費用は全額又は一部負担)して、乗合タクシー業務などを担う。地域おこし協力隊の任期終了後は、下川ハイヤーへの就職と同町への定住を希望している。
同町では「過疎地域において、高齢者等への商品の宅配や地域公共交通の維持は大変重要な課題。タクシーによる商品の宅配と大手宅配事業者の宅配の貨客混載は日本初と思う。下川町で実証試験を行い、他の地域にも普及し、過疎地域での生活支援を確立しましょう」と呼びかけを行っている。