北洋銀行は7月12日、「2023年道内景気と賃金の動向」の調査結果を発表した。5月中旬〜6月中旬にかけて道内692社に聞き、381社が回答した。運輸業は28社が回答。
道内の景気について、現状の景気判断DI(「回復しているとした企業の割合」―「悪化しているとした企業の割合」)は全業種で36と5年ぶりにプラス圏となった。前年から 40 ポイントの大幅な改善となった。道内景気が回復に転じる時期について、2023年が56%、2024年が29%、2025年以降が25%と回答した。
運輸業の景気判断DIは56となり前年から47ポイントの大幅な回復。道内景気が回復に転じる時期は2023年が61%、2024年が26%、2025年以降が13%となった。
景気先行きの懸念材料では、全産業で「電気料金の動向」が75%と前年調査より44 ポイント上昇し1位。次いで、「原材料価格の動向」が71%、「新型コロナウイルスの動向」が15%となり、前年より48 ポイント低下した。
運輸業では「原油価格の動向」が85%と圧倒的に高く、「電気料金の動向」と「個人消費の動向」が59%でこれに続いた。
賃金の動向では、全産業で前年に比べ、定期給与(基本給・諸手当等)の引き上げ・引き上げ予定の企業は85%となり、前年より8ポイント上昇。特別給与(賞与・期末手当等)の引き上げ・引き上げ予定は30%と同じく8ポイント上昇した。
運輸業では、定期給与の引き上げ・引き上げ予定は63%と前年より7ポイント低下。特別給与の引き上げ・引き上げ予定は12%と6ポイント上昇した。
企業の声として、運輸業から「時間外労働を含めた賃金体系になっており、きたる2024年問題に対して基本賃金を改訂せざるをえない状況にあり、雇用確保のために極めて厳しい環境にある。行政は荷主に対し適正運賃の指導や周知をしているが、現実とは離れているものと思われる」といったコメントを紹介。