国交省の運輸安全委員会は9月27日、「旅客フェリーさんふらわあ だいせつ火災事故」の報告書を公表した。
この事故は、商船三井フェリーの大洗発苫小牧行きカーフェリー「さんふらわあ だいせつ」が2015年7月31日、苫小牧港南方沖を北進中、第2甲板で火災が発生し、乗組員1人が死亡したもの。同船には船長ほか22人が乗り組み、旅客71人を乗せ、車両等160台を積載していた。
報告書では、「第2甲板の右舷中央部に積載されたトラックの車載冷凍ユニットから出火し、乗組員による消火及び延焼防止が適確に行われなかったため発生した可能性があると考えられる」とし、車載冷凍ユニットからの出火について、「メーカーのサービスマニュアルにおいて禁じられている方法により結線した箇所から電気火災が発生した可能性があると考えられる」ものの、「出火の要因の特定には至らなかった」としている。
また、乗組員による消火及び延焼防止が適確に行われなかったのは、「商船三井フェリーの乗組員に対する実践的な教育及び訓練が不足していたことによる可能性があると考えられる」としている。