北海道物流人倶楽部(斉藤博之代表幹事、北海道物流開発)は9月28日、札幌パークホテルで67回目の例会を開催し、約50人が参加した。
5月に大手小売企業と物流事業者で発足した「北海道物流研究会」から、イオン北海道商品戦略部物流改革マネージャーの石田将氏、ティー・エル・エス新港南センター新港南常温出荷所長の五味渕信行氏、北雄ラッキー一般食品・生活関連グループチーフバイヤー兼物流担当の大島智己氏が講師となり、同研究会の取り組みなどを講演した。
石田氏は、トラック業界の残業規制により、現状より走行距離が2割減少し、今までギリギリ配送出来ていた地方への配送が困難になるとし、「商品供給ができなくなったでは済ませられず、真剣に考えなければならない。店舗はあるが商品が運べなくなると、その地域の生活を支えることができなくなる。荷主として根本的に商慣習の見直しが必要。研究会参加企業と強固な協調で新たな物流プラットフォーム構築を目指す」と語った。「店舗納品後に他社のマテハンを回収」「商品保管スペースを他社倉庫で融通」「他社との商品混載による運行車両の削減」「遠距離輸送の委託・中継輸送の実施」など、実際に取り組んでいる改善事例を紹介した。
五味渕氏は、参画物流企業による分科会を定期的に開催していることを報告、共同購入や空き車両の相互活用などに取り組んでいると説明。「困っている部分は他社も同じ。1社では解決できない問題も複数社集まれば解決案が見つかる。物流危機を乗り越える仲間としての意識が醸成され、『物流は協調する』という考えが共有されている。今後は、実績の輪を広げ、課題の本丸である遠方エリアの対策に取り組んでいきたい」と述べた。