ザ・シンポジウムみなとin石狩湾新港

「ザ・シンポジウムみなと」実行委員会は10月5日、シャトレーゼガトーキングダムサッポロで「ザ・シンポジウムみなとin石狩湾新港 〜石狩湾新港の可能性と未来を語る」をオンラインと併用で開催した。小樽市、石狩市、石狩湾新港管理組合、石狩湾新港外貿貨物利用促進協議会などとの共催。同シンポジウムは、港湾の重要性や必要性の理解促進などを目的として開催しており、今回で31回目。石狩湾新港での開催は、平成11年、同23年、同30年に続いて4回目。会場には241人が来場し、オンラインの285人を含め、526人が聴講した。

寒地港湾空港研究センターの眞田仁理事長が「石狩湾新港の整備効果と振興ビジョンについて」と題して講演し、同エリアについて「約3000haを擁する工業流通団地で、1978年の用地分譲開始以来、機械・金属・食品などの製造業や卸売・倉庫・運送など多種多様な分野の企業が進出し、進出企業数約750社、就労者数2万人を超える産業拠点と発展している。特に営業冷蔵倉庫の庫腹量は道内全体の約4分の1を占め、道内最大の低温物流機能を有している。道央圏をはじめ広く道民の食と生活を支える重要な物流ネットワークの拠点となっている」などと紹介した。

東京女子大学現代教養学部の二村真理子教授は「次世代物流・流通システムによる港湾の競争力の強化」をテーマに講演。同港が物流拠点、エネルギ創出拠点、災害発生時の補給経路などとしての役割を果たしているとし、「特に洋上風力発電などカーボンフリー電力の利用可能性が高く、気候変動問題に敏感で環境意識の高い企業にとって優れた特性を持つ」と強調。物流の2024年問題の影響によってモーダルシフトが進む見通しのため、「札幌市に最も近い同港の期待が高まっていく。今後、環境先進地域としてのブランド形成、カーボンフリー電力のアピール、RORO船の定期航路の誘致などに戦略的に取り組む必要がある」と話した。

このほか、石狩湾新港の可能性などについてパネルディスカッションが行われた。

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