「北海道物流WEEK 」第4便 「北海道トラック輸送における取引環境・労働時間改善地方協議会」

北海道トラック輸送における取引環境・労働時間改善地方協議会(座長・千葉博正札幌大学名誉教授)の20回目の会合が2月21日、北海道トラック総合研修センターで開催され、今年度の活動報告が行われたほか、構成メンバーの増員が決まった。「北海道物流WEEK」の第4便の位置付けとして開催された。

同協議会にオブザーバーとして参加していた北海道農政事務所が次回より正式に委員となることが決定。これにより、同協議会は北海道運輸局・北海道労働局・北海道経済産業局に加え、北海道農政事務所の国の4つの行政機関が参画する会議体となった。

今年度の事業報告では、同協議会として昨年10月に「2024年問題対策セミナー」を開いたほか、道内企業4400社に対して「標準的な運賃・荷待ち時間の削減・荷役作業の効率化」などを訴える文書を前述の4機関と連名で配布したと報告。

北海道運輸局は、管内のトラックGメンの活動状況を説明。昨年末までに北海道経済産業局の下請Gメンと連携し、運送事業者からの「合同ヒアリング」を8件、単独での「働きかけ」を7件、「要請」を4件行なったと報告。「働きかけの件数がそれほど多くないと感じるかもしれないが、荷主・元請けの本社に対して行うので、北海道で違反原因行為を把握しても、関東方面で実施することが多いため」とした。
また、「契約にないフォークリフトによる荷下ろし作業と仕分け作業の強要」「積込み時に4〜5時間の荷待ちの発生」「異常気象時での運送依頼」といった「働きかけ」を行なった際の違反原因行為の実例を紹介、それぞれ発荷主から「改善を図る」旨の意向を確認したとし、「北海道運輸局のHPに『荷主情報投稿窓口』のバナーを配置しているので、違反原因行為の疑いがあると感じた場合、活用してほしい」と呼びかけた。

北ト協は、昨年9〜10月に実施した会員への実態調査の結果を公表。会員2969社に聞いて730社から回答を得たもので、「標準的な運賃の告示による運賃交渉」では89%が交渉し、このうち30%が改善、60%が一部改善したと回答、交渉しても変わらないと回答したのはわずか9%だった。

このほか、北海道経済産業局、北海道労働局が2024年問題に対するそれぞれの取り組みを説明。
委員として参加したトラック運送事業者からは「渋滞に巻き込まれたり、トラックの休憩スペースがないエリアでの運行、また、悪天候時でのスタックなどにより、運転時間などが規定より数分オーバーしてしまうことがある。特に冬期は現場で様々な状況があることを理解してほしい」「荷待ち時間を削るため、納品時間ギリギリにトラックを到着させると、降ろし先の現場では『遅い』とドライバーが怒られることがある。労働時間削減に向けた取り組みが、着荷主の現場レベルには理解されていない」「標準的運賃を届け出し、荷主と交渉すると『これは義務なのか』と聞かれる。努力義務といった形でもいいので、より拘束力のあるようにしてほしい」といった意見が出た。

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