音更町農業協同組合(土田純雄代表理事組合長、河東郡音更町)は4月18日、長芋流通で使用する緩衝材を「おが粉」から「馬鈴しょでん粉の副産物を主原料とした発泡緩衝材」へ移行したと発表。軽量化され、長芋1箱当り使用量は0・2㌔㌘弱(おが粉から94%の軽量化)となった。
発泡緩衝材を製造する設備を取得し、JAおとふけ青果管理センター内で製造。生産者の経費削減、流通・消費段階の経費削減、環境負荷軽減を進めている。

長芋の緩衝材は長年、おが粉が用いられてきたが、値上りが続き、価格転嫁が難しいことから、生産者の経費増加に繋がっていた。長期的に取引をしていたおが粉業者の製造撤退もあり、永続的に緩衝材として使用することに懸念を感じ、2018年から新たな緩衝材の試験を実施。辿り着いたのが十勝の主産品である馬鈴しょでん粉を主原料とした発泡緩衝材だった。
ホクレンでん粉課の協力のもと、JA士幌町でん粉工場など4か所より年間通じて安定的に「でん粉尻(製造工程で発生する副産物)」を仕入れる体制を構築した。
メリットは、軽量化による輸送効率の上昇(JRコンテナのスペースを最大限活用した輸送が可能に)、生産者の経費削減(1㌔㌘あたりの資材費が9・75円から5・5円に圧縮)、取引先でのゴミ処理費用の削減(年間1400㌧のゴミが削減)、掃除の手間省略(発泡緩衝材は長芋に付着しても簡単に除去でき、手で拾えるサイズなので後片付けが楽に)など。また、自然由来のおが粉に比べ工業製品の発泡緩衝材は生菌数が10万分の1以下との分析結果が出ており、クリーンな状態で封函でき、長期保管にも耐えられる。