札幌商工会議所と北海道新幹線建設促進札幌圏期成会は12月6日、札幌グランドホテルで「道央圏交通体系フォーラム〜BEYOND2030」を開催した。
「都心アクセス道路に求められる役割」と題したパネルディスカッションが開かれ、パネリストとして物流業界からエース(石狩市)の林博己会長が登壇した。このほか、北海道観光振興機構の堰八義博会長、北海道医師会の長瀬清会長、札幌商工会議所地域開発委員会の渡邊克仁委員長代行、北海道大学公共政策大学院の高野伸栄院長が参加した。
同フォーラムは、北海道新幹線札幌開業や冬季オリンピック・パラリンピック札幌招致など、2030年に向けて札幌市は大きな転換期を迎えることから、札幌都心と高速道路のアクセス強化のために「札幌都心アクセス道路(創成川通)」の整備実現に向けて機運を高める狙いで開かれた。
林氏は「ドラッグストア、スーパー、コンビニなどへの店舗配送を全道で行っており、昨今の店舗ではバックヤードが小さくなり、トラックが走るバックヤードの機能を果たしている。我々が商品を届けないと、店頭からモノがなくなることになる」と述べ、「道央圏の物流の導線をスムーズにするためにも、札幌都心アクセス道路の整備を望んでいる。導線の流れが悪く時間が読めないと、効率的な配送に支障が出て、ジャストインタイムの配送が厳しくなる。アクセス道路が整備されることで、商品のお届けがスムーズにいくだけではなく、一分一秒を争う病院への緊急輸送などにも役立つ。道内でこういった輸送網を網羅し、輸送しやすい環境を整えてもらいたい」と強調した。
また、「9月の胆振東部地震・ブラックアウトの際は、一般市民の生活を守る役割を担う当社では、朝から通常通りに業務をした。停電で信号が点いていなくても、全道にたくさんの商品を供給した物流は一般市民の衣食住を守るインフラである」とPRした。