北海道物流人倶楽部(斉藤博之代表幹事、北海道物流開発)は3月12日、35回目の例会を札幌第一ホテルで開き、北海道運輸局の大友晃司貨物課長と工藤正弘環境・物流課長が「物流業界の現状と今後の動向」をテーマに講演。道内をはじめ、東北、東京の物流関連企業の経営者や従業員ら65人が参加した。
大友課長はトラック業界の働き方改革のほか、改正された標準貨物自動車運送約款や貨客混載の動きなどについての解説。約款改正に伴う届け出状況は、管内では3月9日現在で2181者と全体の65・1%が完了しており、「これは全国的に見ても高い割合。このうち約2割が新標準約款を使用しない事業者による約款変更認可申請、約8割が新標準約款を使用する事業者による運賃・料金変更届けとなっている」と説明。「これら届け出を行っていない場合、行政処分の対象となりうる。すぐに処分を行うものではないが、そのうち監査などで届け出の未了が確認されれば、処分が行われることもあるので、早めに届け出を済ませて欲しい」と注意喚起した。
また、貨客混載について、「道内では道路運送法第82条に基づく乗合旅客自動車運送事業者による少量貨物の運送だけが行われており、現時点で8者、13路線、1区間で実施されている。貨物事業者はヤマト運輸と佐川急便のみ」と説明し、「まだトラックを活用した貨客混載は行われていないが、各種要件が満たされれば、トラックでも乗車定員までは旅客を乗せることがすぐにでもできる」と話した。
工藤課長は物効法について、平成28年10月から同29年12月まで63件の総合効率化計画を認定し、「これは42万時間の省力化、トラックドライバー約200人の労働力確保に相当する」と現状を報告、「総合効率化計画は却下する前提ではなく、基本的に認めていきたい方向で考えている。どのようなモーダルシフトや共同配送などの取り組みであっても、要件を満たせば認定されるので、物流効率化の取り組みを行っている場合、該当するかどうか、問い合わせをいただきたい」と話した。