北ト協「人材確保対策等労働環境改善指針」策定 人材確保に向け、取り組み例示

北ト協は3月26日、「人材確保対策等労働環境改善指針~運転者の確保と定着率のアップ」を取りまとめたと発表した。
ドライバー不足が喫緊の課題となっている中、人材の採用・定着に向けて「運送事業者」と「ト協」がそれぞれ取り組むべき施策をまとめたもの。あわせて、事業者が人材確保に向けて取り組む項目を一覧で示したチェックリストも作成した。
同ト協では今年度、労働委員会、青年部連絡協議会、女性部会の役員らで構成される「人材確保対策会議(堀川和雄議長、丸北建設運輸)」において、これらの内容を協議してきた。

基本指針として、
①「人材を確保するため、ドライバーの賃金、労働条件等、労働環境の改善に努めます」②「上限規制を含めた時間外労働を抑制するため、長時間労働を是正します」
③「現在雇用している人材の育成に努めます」
④「人材確保対策を推進するため、女性労働者等の雇用に取組みます」
⑤「人材確保対策を推進するため、地元自治体・商工会等と連携します」
ーの5項目を掲げた。

事業者が行う取り組みとして、「働きやすい職場作り」「コミュニケーションのある職場作り」「荷主との連携・情報共有」「契約書面化の推進」「処遇改善(給与体系・労働 時間の見直し)」「女性・高齢労働者に対する体制の整備」「若年労働者に対する体制の整備」「求人の掲載や企業説明会への参加」「メンタルヘルス」ーの9項目を挙げた。

これらの各項目について「資格取得の支援制度の充実」「部活動や家族も一体となったイベント等の導入」「ドライバーとの面談」「積込み荷卸し予定時刻を事前に共有する等、荷主との情報連携」「更衣室及びロッカー、女子専用トイレ、パウダールーム等の設置」「育児休業制度、短時間勤務でも可能な業務の創出」「インターンシップ、地域貢献等を通じてトラック運送業界に興味をもってもらう」「学生、両親、学校との関係を早期に築く」「求めている人物像を設定し、それに基づいた採用計画の作成」といった具体的な取り組み事例を示し、このような対策を行わなければ、「貴重な人材が減少し、事業を縮小せざるを得ない状況に追い込まれる。社員が同業他社、或いは他業種へ異動しないよう危機感を持って人材 確保・育成対策に取り組む必要がある」と訴えている。

また、事業者の取組みを実現するための協会活動として、「各種の資格を取得できる環境づくり」「自治体・商工会等と連携し、働く自動車についての出前授業の開催」「DVDを作成し運送業界をPR、動画サイトに載せる」「求人検索サイトの活用や職業説明会の導入」「協会ホームページ等の情報発信できるものを整備し、物流に興味をもってもらうようトラック業界の魅力を広くPRする」「高校への文書発送」「高校(OBの活用)・自衛隊訪問を実施する」「女性の活躍推進の活性化」「学生向けの見学会の実施」「就職イベントの参入」「運転免許取得助成額の増額の検討」を挙げた。

同ト協では、「人材確保及び定着率のアップを目的に、本指針の取り組みやすい項目から取り組んでいただき、段階的に取り組み項目を増やしていただき、人材確保等に繋げていただければ幸い」と会員に向けて発信している。

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