新星流通サービス(星玲社長、札幌市西区)は、北海道から沖縄県まで全国に対応した「混載専門」のマッチングサイトを8月中にも稼働させる。
サイト名は「混載マッチングjp」。
混載貨物を探す全国の運送事業者に活用してもらうことで、運送業界全体の生産性向上を後押しする。
同社は「理想的な運送業・物流業務」を目指し2014年に創業。貨物利用運送事業からスタートし、現在はワゴンから2トン、4トン、8トン、10トン車とバランスよく車両を取り揃えている。
「昔から混載荷物を探せるシステムがあれば便利だと考えていた」と話す星社長。「既存の多くのマッチングサイトでは、未だにチャーターの情報が主流であり、混載はNGという案件が少なくない。全国単位で混載の情報が多く掲載されているサイトを探したが、なかなか見つからなかったので、自分で作る決断をした」とし、2年ほど前からサイト構築に着手した。
「混載のマッチングシステム開発による安価な運送サービスの提供」を計画テーマとして、北海道から経営革新計画の承認を得て、開発を進めた。「対応エリアが全国」の「混載専門」の物流マッチングサイトは非常に珍しく、この新規性により経営革新計画に認められたという。
同サイトでは、「チャーターほどの量ではない荷物を運んでほしい荷主」と、「荷台を埋めて積載率を上げたい運送事業者」をつなげる。
「発地」「着地」などを検索すると、条件に合う情報が一覧で出てくる。見やすさ、操作のしやすさ、スマホ対応にもこだわった。
運賃・料金や時間などを含めた条件の交渉は当事者同士で行い、サイトはあくまで「情報の掲載」に徹する。そのため、手数料などは発生しない。
利用には登録が必要で、「荷物を出す荷主」は利用無料、「荷物を運ぶ運送事業者」は1IDで月額5000円(税別)。運送事業者が荷物を出す場合は、荷主の扱いとなる。
星社長は「5年ほど前から、路線会社が重量物・長尺物・裸物などの荷物を敬遠するようになり、現状、混載のニーズは増えている。そのような中、運送会社が混載荷物を探す場合、10件・20件と普通に電話をしていたが、このサイトがあればその手間がなくなり、効率的なマッチングが図れる。ドライバー不足が進む中、混載を増やす新たな仕組みがあれば、業界全体で効率化ができる」と話す。
また、「混載が増えることによってドライバーにとっては、積み降ろしの箇所が増えて大変な面があるかもしれないが、1運行の売上が増えれば、『高速道路の利用料金の原資確保』や『職場環境の改善』などにつながりうる」とする。
「皆さんが安心して使えるサイトとして運営していきたい。感想や要望をフィードバックしていただければ、改良を進め、よりよいサイトにしていきたい」と抱負を述べる。