トラックパートナー  危機管理セミナー「退職トラブル・パワハラ」について

トラック運送業に特化した道内士業らの専門家集団トラックパートナー(佐々木ひとみ代表)は11月18日、TKP札幌ビジネスセンター赤れんが前で「運送業における危機管理~あなたの会社は対処できていますか?」をテーマとしたオンライン併用セミナーの2回目を開催、15人が参加した。
本間裕美弁護士(みらい共同法律事務所)が「ここが危ない!退職・解雇トラブル事例」、藤渡一朗社労士(藤渡社会保険労務士事務所)が「あなたの会社、パワハラ大丈夫ですか?」と題してそれぞれ講演を行った。

本間氏は、「退職前の有給休暇消化トラブル」「雇止めトラブル」「解雇の際の合理性・相当性に関するポイント」などについて、実際の事例を通じて説明し、「労働問題は使用者が強い立場にあるという前提で判断されるため、会社側が不利な戦いを強いられることが多い。昨今は退職代行サービスを安価で手がける会社もあり、『何も言わず、引き継ぎもせずに辞める』というケースも少なくない。トラブル回避には、就業規則を整備するとともに、解雇ではなく、なるべく退職勧奨により、自ら退職するよう促してほしい。解雇をするなら、業務命令書やクレームの記録、メールのやりとり、人事査定書といった証拠を時系列に沿ってしっかりと残してほしい」と訴えた。

藤渡氏は、改正労働施策総合推進法が6月に施行され、大企業は同月から、中小企業でも2022年度から、パワハラ防止のための雇用管理上の様々な措置が義務付けされたことを説明し、パワハラの定義や類型、指導とパワハラの違い、事業主が講ずべき措置について解説。 「業務上の必要があっても不適切な内容や量」「威圧的・批判的な態度」「イライラ・怒り・嫌悪などの感情」「部下が萎縮し、職場がギズギスする」といった指導は全てパワハラにあたるとし、「『運送業界は特殊で他の業界とは違う』とは言えない状況になっており、中小企業でも義務への対応をしなければならない。『職場のパワハラはなくすべき』とトップが明確に方針を打ち出し、パワハラを許さない企業風土づくりが重要になる」と強調、運送会社で行われている未然防止の取り組みを紹介した。
また、就業規則にも十分な規定を設けてほしいとし、パワハラ防止に関する規定の雛形を配布した。

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