上士幌町でドローン活用3つの実験 日本初ドローン個配

イノベーションチャレンジ実行委員会(実行委員長:竹中貢上士幌町長)と、karch(千葉与四郎社長、河東郡)、セイノーホールディングス(田口義隆社長、大垣市)、エアロネクスト (田路圭輔CEO、東京都渋谷区)、北海道経済産業局は10月6~10日に、上士幌町の各地においてドローンを活用した3つの先進的な実証実験を行なった。

①「ナイタイ高原牧場におけるドローンを活用した観光商品開発デモ飛行(主催:karch)」
広さ約1700ha、東京ドーム358個分の面積を誇る日本一広い公設牧場のナイタイ高原牧場で、ドローンを活用した新たな観光商品開発の実証実験を実施した。
コルソ札幌の協力監修のもと、グランピング特設サイトを設え、利用者がオーダーしたドリンクと十勝ナイタイ和牛ステーキを麓からドローンで配送した。同実験を踏まえ、上士幌の食や大自然とテクノロジーが融合した他にはない唯一の観光体験を演出する観光商品として、将来的に実施を検討していく。

②「日本初の次世代高度技術活用におけるドローン宅配(個宅への買物代行ドローン配送)実証」(主催:イノベーションチャレンジ実行委員会)」
同町市街地から離れた農村地域に住む交通弱者への買物支援を想定し、食料品をドローンで個宅へ配送する実証実験を実施した。廃校となった小学校に地元スーパーの荷物を一時在庫し、その中から注文のあった商品を購入者の自宅の敷地内にドローンで直接配送した。
上音更地区に住む町民が、タブレットから、あらかじめ用意された地元スーパーの食料品の詰め合わせを注文できるアプリを活用し、「ごはんセット」を注文。約2分後には自宅前にドローンが着陸し、町民の手に届けられた。
同実験は、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流「SkyHub」の社会実装に向けたもので、ドローン宅配(個宅へのドローン配送)は日本初の試み。その後、期間中には、ドローン宅配を引き続き上音更地区の複数の個宅へ実施した。

③「日本初の牛の検体のドローン配送」
ノベルズ(延與雄一郎社長、河東郡)の協力のもと、牛の乳房炎の検体(乳汁)の配送をテーマに、温度管理・振動・ドローン配送と陸上輸送との連携・配送後の検査品質評価等の一連の実証を行い、配送等の課題の多い畜産業界全般におけるスマート物流の実装可能性を検証した。ドローンを活用した牛の検体の一連配送の実証は、日本初の試み。同実験は、経産省「地域産業デジタル化支援事業」を活用して実施した。

3つの実証実験の内容は、実験だけに終わらせることなく、今後実際に上士幌町において実用化を目指した取組み。11月頃より、物流インフラとしてのSkyHub導入の第一歩として荷物を集積し一時保管するドローンデポを市街地に設置し、地上配送と将来のドローン配送を想定した買物代行サービスから開始する予定。

今後も、それぞれが有する資源を有効に活用しながら、相互に連携、協力し、町の課題や町民のニーズに沿って、ドローンを含む次世代高度技術の活用による農業・観光・産業・経済の振興、持続可能な地域雇用および人材教育・人材育成・産業基盤整備、持続可能な地域交通・物流の確保と住みやすい環境づくり、地域防災への貢献および新しい社会インフラの整備を推進することで、上士幌町における「持続的な未来のまちづくり」に貢献していくとしている。

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