北海道運輸局 北海商科大学で講義

北海商科大学の相浦宣徳教授が担当する「物流システム論」で11月4日、北海道運輸局環境・物流課環境係の田淵健太郎氏が講師に招かれ、講義を行った。

田淵氏は「将来の北海道の物流を考える〜将来の物流に向けた取り組み」と題し、物流の基礎知識や業界の現状、物流DX の動きや国交省による施策や支援策、同運輸局の取り組みなどを紹介。
物流の現状として、「営業用貨物自動車の積載効率は減少傾向にあり、近年は40%を割り込んでいる。一方、EC市場の拡大に伴い、宅配便の取扱件数は伸び続けており、この10年間で50%増加した。一回の貨物流動での輸送重量は小口化し、物流の件数は増え、多頻度化している」などと述べた。

また、北海道の物流の課題として、「地方部で急激に過疎化が進み、安定的な物流ネットワークを維持することが困難になっている。道内各地から物流のハブとなる札幌までの輸送が片荷となり、効率が悪い」と指摘。物流の効率化に向けて、隊列走行や自動運転、ドローン配送、無人フォークなど機械化・自動化が進んでいることを説明。

同運輸局が関わった物流効率化の取り組みとして、ビール4社の共同輸配送、占冠村の村営バス(自家用有償旅客運送)を活用した宅配便の貨客混載、稚内市と幌延町間で行われているJRとタクシーを絡めた貨客混載、高校生を対象とした物流現場の見学などを紹介し、「物流は皆さんの身近にある重要な産業。『運びたくても運べない』『欲しいのに届かない』という状況にならないよう、様々な施策に取り組んでいる。物流産業に興味、関心を持ってください」と呼びかけた。

学生からは「大手物流会社でアルバイトをしていたが、自動化の取り組みを感じることはなく、アナログな仕事だった。今後の見通しはどうか」といった質問があり、「まだ現場では人力に頼る面も多いが、無人フォークリフトの導入事例など、道内でも広がってきている。自動化・機械化の取り組みは今後普及していく」と応じた。

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