サッポログループ物流東北支社 諸岡新支社長 東北地区の物流ネットワーク再編に取り組む「北海道の物流業界に感謝」

「東北地区における新たな物流ネットワークの構築に向けて、地元企業の皆様との関係を深め、様々な物流課題に対して連携して取り組んでいきたい」。
こう抱負を語るのは、3月30日付けで新たに就任したサッポログループ物流東北支社(名取市)の諸岡知尚支社長。同支社では2010年9月から約4年間、物流業務部長として勤務し、それ以来の赴任となる。東北エリアの物流再編という大きなプロジェクトに取り組む。
 
前職は同社北海道支社(恵庭市)の物流業務部長。約7年半の間、同支社の物流業務全般を統括・管理するほか、サッポロビールSCM部の恵庭物流センター統括、サッポロビール北海道工場の総務部、サッポロ流通システム北海道営業所の副所長も兼務し、酒税関連、倉庫とトラックの運営管理、安全衛生関連など多岐にわたる業務を手がけてきた。

また、道内の物流業界で広いネットワークを築き、2021年6月には鉄道貨物輸送への貢献が認められ、鉄道貨物協会北海道支部長より表彰を受けたほか、大学生に向けた物流の講義や、小学生向けの物流イベントなどを積極的に引き受け、人材育成や業界PRにも注力してきた。

函館市出身で、1990年の歳暮期にサッポロビール旧札幌工場で作業アルバイトをしたのをきっかけとして、翌年、「誘われる」形で倉庫作業員として同社に入社。長年に渡り倉庫での様々な作業を経験した後、事務・管理職へ。群馬工場で広告品センター立上げプロジェクトのメンバー、本社で倉庫内の作業効率化プロジェクトのメンバー、東北支社、北海道支社での勤務を歴任した。
 
文字通りの「現場叩き上げ」であり、北海道、東部、西部サッポロ物流の3つの物流子会社があった旧物流3社時代における現業部門の最後の世代として、サッポロビールの物流関連業務を広く・深く知る。サッポロビールを含めたグループ関連社内では、「物流のエキスパート」として知る人が多く、社内外から物流課題だけではなく、物流全般に関する相談などに積極的に応じてきた。「メーカー物流の管理者として、過去に例がないフットワークの軽さと対応力があった」と評価する声も聞かれ、グループ内のみならず、道内の物流業界で広く頼られる存在だった。
 
今回赴任した東北地区では、骨太の課題が多く積み上がっている。サッポロビールの仙台工場はビール製造を2022年12月に停止し、2023年10月に缶酎ハイなど「レディー・トゥー・ドリンク(RTD)」の製造設備を新設する計画であり、物流網の再構築が必須な状況にある。また、2026年末には仙台貨物ターミナル駅(仙台市宮城野区)の移転問題もあり、鉄道貨物輸送を多く扱う同社では、東北地区における輸配送の再編も必要な状況だった。

諸岡支社長は「工場再編に伴い新たな工場として生まれ変わることから、物流網の再構築が急務。仙台貨物ターミナル駅の移転問題も控えており、東北地区における新たな物流ネットワークの構築に向けて尽力したい。地元企業の皆様との関係を深め、様々な物流課題に対して連携して取り組んでいきたい。久しぶりの東北支社勤務となるが、環境も変わり、わからないことばかり。皆様のご支援・ご指導を賜りたい」としている。

また、出身地であり、長く勤務した北海道の物流業界にも大きな感謝を示している。

「北海道では、各会合などを通じて多くの皆様と交流でき、その交流を機として様々なイベントにも参加させていただき、自身の学びと成長に繋がった。各社、皆様との連携により、これまでにない新たな物流ネットワークが築けたこともあった。温かく親身になり接していただき、感謝しかない」としている。

北海道における輸送ネットワークの在り方について、「人材確保、ドライバーの2024年問題、鉄道貨物輸送における青函共用走行区間を含めた問題、内航海運における人材不足や排出規制への対応など、急激な転換期となる重大な局面を迎えている」と危機感を抱いており、「経済団体主催のプロジェクトチームにも参画して議論を進めたが、事業者、業界、自治体が一体となり進めるべき問題であり、残された時間は少ない。今後、北海道のみならず全国へも大きく影響を与えることになるため、早急に議論し、問題解決に向けて具体的に取り組んでいく必要がある」と意見を述べている。

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