北海道のトラック運送事業者の経営実態について、北ト協が3月に発行した冊子「あらたな視点に立って経営を見直してみよう」から見てみる。同冊子は道内1148の事業者を調査したもので、最新のデータは2016年度。
同年度の道内事業者の事業規模の割合は、車両数5台以下が28・4%、6〜10台が25・7%、11〜15台が12・4%、16〜20台が8・3%、21〜30台が8・8%、31〜50台が8・3%、51〜100台が5・5%、101台以上が2・7%となっている。10台以下の事業者の割合が54・1%と半数以上を占めており、全体の約3分の2が15台以下の事業者となっている。
運送事業の営業損益を見ると、黒字を出しているのは全体のうち66・6%で、3分の1の事業者が本業で赤字となっている。これを規模別で見ると、運送事業で営業黒字を出しているのは10台以下の事業者で61・2%、11〜20台では65・3%、21〜50台では69・4%、51台以上では74・7%。車両台数が多い方が、営業黒字を達成している傾向がみてとれる。また、運送事業の経常損益では全体の74・1%が経常黒字となった。
運送事業における利益率は、全体で経常損益率が2・84%。規模別では、10台以下の事業者で3・36%、11〜20台では3・06%、21〜50台では1・69%、51台以上では3・44%となった。
運送収益に対する費用比率などの平均値を見ると、売上高にあたる運送収益は3億6080万円。このうち、運送費の人件費は27・11%、燃料油脂費は9・51%、修繕費は5・59%、減価償却費は5・79%、保険料は1・69%などとなった。一般管理費は11・28%。
このほか、北海道全体の主な経営指標を見ると、実働率は59・1%(前年度比0・5%減)、実車率は65・5%(同13・1%増)、日車あたりの営業収益は5万500円(同8800円増)、走行距離あたりの営業収益は272円(同62円増)、労働分配率77・6%(同0・9%増)などとなっている。