北海道運輸局と札ト協は7月8日、大学生を対象とした「物流施設体験会in札幌貨物ターミナル2023〜物流産業を支える人材確保に向けて」を開催した。大和ハウス工業北海道支店、JR貨物北海道支社、北海商科大学が協力した。
物流現場の見学を通じて、次世代を担う大学生に物流産業の重要性や社会的意義の発信を行い、物流業界への関心を高めてもらうことを目的とした取り組みで、北海商科大学3年生12人が参加した。
学生は、札幌貨物ターミナル駅の構内で、各種コンテナや貨車のほか、同駅に到着した貨物鉄道からコンテナを降ろす荷役作業などを間近で見学、RFIDを活用してコンテナを正確・効率的に管理する様子を学んだ。また、運転シミュレータを体験したほか、車両やコンテナのメンテナンスの現場やバックヤードを見学した。
JR貨物北海道支社総務部の二木裕太主任は「当社は鉄道網を利用してモノを運ぶサービスを提供しており、日本で唯一、全国ネットワークを持っている。鉄道貨物輸送は、『大量一括輸送』と『環境に優しい』点が大きな強みで、貨物列車1編成で約500トン、10トントラック50台分の輸送能力がある。CO2排出量はトラックの約10%」などと説明。また、同支社の特徴について「道外への移出は年間186万トンで農産品・乳製品・紙製品などを全国の消費地に発送している。道産の玉ねぎは60%、馬鈴薯は35%を鉄道で運んでおり、安定的に生鮮食料品を供給するライフラインとなっている。移入は191万トンで全国より宅配便・食工品・書籍など生活必需品が届いている」と紹介した。
このほか、昨年5月に同ターミナル内で竣工したDPL札幌レールゲートを見学、「東北以北で最大のマルチテナント型物流施設であり、貨物ターミナル駅から、公道に出ないでセンターまでコンテナを運ぶことができる」などと説明。
引率した北海商科大学の相浦宣徳教授は「普段の座学と異なり、学生にとって良い機会となった」と語った。