ソニーマーケティング(粂川滋社長、東京都港区)と日立グローバルライフソリューションズ(大隅英貴社長、同)は2月5日、国内の物流に関する社会的課題の解決や環境負荷の軽減をめざし、4月から両社が持つ物流プラットフォームを相互利用した共同物流を開始すると発表した。
両社は国内家電市場において、これまで、アフターサービス領域における一部地域での出張修理サービス体制の相互活用、地域家電店「日立チェーンストール」でのソニー製テレビの販売活動など、販売やカスタマーサービス領域で協創してきた。このたび、新たに取り組む共同物流では、第一弾として、4月から北海道に両社の物流倉庫を統合し、各量販店の物流センターへの共同配送を開始する。
配送範囲の広い北海道において、輸送車両台数を削減するとともに、より効率的な配送ルートを構築することで、環境負荷や運送ドライバーの負担軽減を目指す。なお、北海道での取り組みの結果を踏まえ、同様の取り組みを全国で展開することも検討していく。
国内の物流業界においては、4月からドライバーの労働時間に上限が設けられることに起因する「2024年問題」など、業界として取り組むべき課題があり、両社では、「今回の連携により、お客様に提供する物流の品質維持と環境変化への対応力向上を図るとともに、物流業界の課題解決に向けた最適なプラットフォームの構築を推進していく」としている。
ソニーマーケティングの粂川社長は「物流領域においては、最適な配送頻度の検討やトラックへの商品の積載率の見直しなど、サステナブルな物流オペレーションのための取り組みを進めてきた。今回の共同配送により、これまでの取り組みをより進化させるとともに、2024年問題をはじめとした国内物流を取り巻くさまざまな課題の解決にも貢献することを目指していく」とコメント。
日立グローバルライフソリューションズの大隅社長は「物流の最適化はもちろんのこと、循環型モノづくりやグリーンソリューションの提供など進めている。今回の協創は、いわゆる2024年問題への対応のみならず、大変重要な取り組みと考えている。引き続き、サステナブルな事業の推進にむけ、さまざまな課題解決に取り組んでいく」としている。