公正取引委員会は5月22日、生活協同組合コープさっぽろ(大見英明理事長、札幌市西区)に対し、下請代金支払遅延等防止法(下請法)第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)の規定に違反する行為が認められたため、勧告を行ったと発表した。
コープさっぽろは、「食料品等の製造」「商品等の配送」を委託している下請事業者に対し、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに下請代金の額を減じていた。減額した内容はそれぞれ、「月次リベート」の額(令和3年8月から同6年4月まで)、 「システム利用料」の額(同4年7月から同6年4月まで)、「協賛金年契リベート」の額(同3年10月から同6年4月まで)、「達成割戻金」の額(同4年5月)、「支払通知作成料」の額(同3年8月から同6年4月まで)であり、減額した金額は、総額2537万4079円。
なお、コープさっぽろは4月25日に下請事業者に対し、これら減額した金額を支払っている。
コープさっぽろは、平成24年6月22日に「月次リベート」及び「協賛金年契リベート」の額を減じた行為と同様の行為について、下請法の規定に違反するとして同委員会から勧告を受けたにもかかわらず、下請法の適用対象となる取引の管理体制の整備とその運用を適切に行わず、過去に勧告を受けた行為と同様の行為を行っていた。
今回の勧告では、「今後減額を行わないこと等を理事会の決議により確認すること」をはじめ、「法務担当者による下請法の遵守状況についての定期的な監査」「役員及び発注担当者に対する下請法遵守のための定期的な研修」「下請法の適用対象となる取引を適切に管理する体制の整備・運用の適切な実行」など、遵法管理体制の整備のために必要な措置を講ずることを内容としている。
コープさっぽろでは、「既に、該当の事業者に対し、下請代金の減額に該当すると判断された金額の全額を返金させていただいており、併せて当該事業者から割戻金等を受け取る運用を廃止している。常日頃、協力、支援いただいている事業者との取引において、本勧告を受けるに至った事態を大変重く受け止めている。下請法を始めとする法の遵守について、改めて役職員一同再認識・再自覚するとともに、役員及び下請法の適用対象となる取引に関わる職員への教育、再発防止のためのシステム面での仕組みづくり、体制の整備、点検の強化など、取引の適正化に取り組んでいく」としている。