札幌商工会議所の運輸・自動車部会と北海道物流人倶楽部は2月21日、北海道経済センターで「北海道物流WEEK2025」のイベントの一環として、「物流・DX展示会&物流セミナー」を開催した。
「物流・DX展示会」は、物流に特化した一定規模の展示会としては北海道内で唯一の機会。道内外から約30の企業・団体が出展し、物流に関係するシステムや機器を紹介した。最新のデジタコや点呼システム、配送管理・配車計画システム、ロボットやマテハンなどの展示が行われた。

物流セミナーは、「物流業界の現状と課題および今後の方向」をテーマに物流ジャーナリストの森田富士夫氏が講演。「年間最大残業時間960時間の結果が出る25年度からが、24年問題の実質的なスタート。24年問題の本質は、ドライバーの時給が低いこと。年間の賃金を労働時間で割った時給は、全産業平均では約2340円だが、大型車の乗務員はこれより約480円、中小型車では約600円低い水準にある。この差を縮めることが重要で、そのためには、労働時間を短縮し、賃金をアップさせる必要がある。運賃交渉が順調な会社は、ドライバーの時給を意識しているケースが目立つ」と述べた。
あわせて、「運賃交渉で希望した分の満額をもらえない場合は、燃料サーチャージの導入などを働きかけ、ドライバーに対して、全産業並みの時給を支給するようにしてほしい。今後、事業許可更新制の導入などにより、適正競争の業界に向かっていく流れにある」などと解説した。