北海道エコ・モビリティ研究会(高橋清会長・北見工業大学教授)は12月3日、北海道開発技術センターで今年度2回目の会合を開き、これまでの取り組みを整理し、今後の方針について協議した。
同研究会は、サイクリングを中心に、カヌー、トレッキングといった人力によるアクティビティと公共交通機関を組み合わせて楽しむ「新しい北海道の観光モデル」を提案するため、道内の観光・物流・交通・行政関係者らをメンバーとして、ルートの選定や受け入れ体制の整備などを進めている。
今年度は、海外から専門家を呼び国際セミナーを開催したほか、道北・道東・道南でのツアーの試行やガイドの育成、ルートの選定などを行った。このほか、北海道全体のエコ・モビリティの基幹ルート作成に着手している。
物流面では、「バスやハイヤーに自転車をそのまま載せて移動させる取り組み」「トラックによる自転車の大量輸送実験」「出発地から到着地までの手荷物当日配送の実験」などを行い、ノウハウを蓄積。「鉄道に自転車をそのまま載せる」ことも実施に向けて調整している。
「遠隔地への当日配送」「利用者ニーズに沿った物流ルートの設定」「高額になる輸送費」といった課題が指摘され、「第三者的な主体が物流サービスの窓口となり、物流事業者に業務を委託する仕組みになれば、宅配大手等が連携した配送網の確立が視野に入る。これにより、サービスの向上、価格の低減の可能性も見えてくる」といった意見があがった。
高橋会長は「活動をはじめて4年目に入り、各地域で多くのノウハウが蓄積されている。今後は、交通と物流の発着拠点について考えを深めていくとともに、誰に向けて情報発信をしていくか考えていくことが必要になる」と話した。